介護の乱れの始まりは

介護サービスにおける最初の乱れが、介護職員の言葉遣いである。

どのような素晴らしい理念とモチベーションを持っている介護者であっても、その言葉が乱れることで、知らず知らずのうちに利用者に対する「慣れ」や「惰性」による心づかいの乱れが出てくる。


親しみを込めたコミュニケーションのためには、堅苦しい言葉遣いは必要ないと考える人もいるが、しかし私たちが支援する高齢者の方々は、私たちにとってすべて人生の先輩であり、多くの場合、家族がいて、家族にとっては尊敬する「お父さん」や「お母さん」である。

そういう人々にあえて言葉遣いを乱して、友達言葉でフレンドリーにふるまう必要はあるのか?

私たちは家族に代わって、家族と同様の心のこもった支援をする必要があっても、家族そのものにはなれないのだから、家族であれば許される横柄さまで真似る必要はないのである。


心のこもらない言葉など無意味だという人もいるが、言葉遣いを柔らかく、適切に心かげることは態度を和らげ、適切な方向に向かわせる効果もある。

言葉により介護者が利用者を見下ろす位置に立つ恐ろしさがあることを知るべきだし、虐待はまず言葉から態度へと変換するという意識を持つべきであり、それはプロ意識の欠如にほかならない。

「親しみ」をもってもらう、つまり「親近感」がある。

そのための手段として「タメ口」を利用している、ということ。

そもそも”利用している”という意識すらなく、ただただ普段の言葉遣いで仕事をしている、という方もいるでしょう。

しかし、確実に言えるのは「タメ口」から生まれるのは「親しみ」ではなく「馴れ馴れしさ」だけであるということ。

親しみとは、相手に対する思いやりや尊敬の気持ちがあり、礼儀正しい振舞いができる態度のことであり、馴れ馴れしいとは、相手の気持ちを無視した、礼儀を欠く態度のことです。


馴れ馴れしい対応を続けるとどうなるか?

言うまでもなく、利用者からの「信頼」が無くなっていきます。

信頼は得難く、壊れやすいものです。

介護従事者として、このような勘違いには早急に気づく必要がある。


介護施設では「利用者様」と呼ぶことがほとんどで、「お客様」と呼ぶことはほとんどありません。

しかし、”利用料を払い介護サービスを買っている”わけですから利用者=お客様であり、サービスを提供している私たちは職員=店員ということになります。


店員がお客様にタメ口を使う、これがどれだけ異常なことか。

社会人ならわかっていて当然ですよね。

でも介護業界ではこれがまかり通っているわけです。


普通の企業の研修では「お客様にタメ口で話しかけてはいけません」なんて言いません。


なぜなら、それは当たり前のことで、言わなくてもわかることだからです。

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